ブログ任意整理借金問題(債務整理)

「国が認めた借金救済制度」とは?広告の正体と注意点

最近、ネットの広告などでよく見るワードです。

「国が認めた借金救済制度」
「国が認めた借金救済措置」
「国が認めた借金減額措置」

呼び方は「借金救済制度」「借金救済措置」「借金返済の制度」などいろいろですが、指しているものは同じです。

先日、相談に来られた方からも「国が認める借金救済措置って何ですか?」と質問を受けました。

「借金救済制度」「借金救済措置」の正体

早速、ネット上の広告をいろいろ読んでみると、要するに「任意整理(債務整理)」のことを指すようです。
また、「借金減額措置」「返済が免除される」というのは、「自己破産」や「個人再生」のことを言っているようです。

「国が認めた借金救済措置!」という文言だと、何か新しい法律や制度ができたのではないかという印象を受けますが、そんなことはありません。自己破産も任意整理も昔からあります。国が特別に用意した新しい制度ではありませんし、国や役所が窓口になっているわけでもありません。

手続 借金はどうなる?
任意整理 利息をカットしてもらい、元金を3〜5年で分割返済する
個人再生 借金を大幅に(多くは5分の1程度に)減額し、原則3年で返済する
自己破産 借金の返済が全額免除される

3つの手続の違いは、債務整理の3つの手段で詳しく説明しています。

広告を見て依頼するときの注意点

「借金がいくら減るか無料で診断」といった広告から、遠方の事務所に依頼される方もいます。

弁護士会のルールでは、弁護士が債務整理を引き受けるときは、原則として本人と直接会って事情を聞くことになっています。電話やメールだけで話が進み、一度も担当者と会わないまま手続が始まる場合は、少し立ち止まって考えた方がよいと思います。

実は、弁護士の広告については日本弁護士連合会の指針があり、「国が認めた借金減額制度」「国が認めた借金救済制度」といった表現は、あたかも破産や民事再生以外に特別に有利な制度があるかのような期待を抱かせるものとして、弁護士の広告では認められていません。

また、「借金減額診断」などと称して借入額などを入力させ、どのように入力しても「あなたの借金は減額になる可能性があります」と表示して依頼を勧誘するような広告も、同じく認められていません。

広告の「減額できます」という言葉だけで決めず、自分に合った手続かどうかを確認することが大切です。

任意整理を選ぶ前に考えてほしいこと

棒田法律事務所でも「任意整理」のご依頼をお受けしていますが、その際には、本当に分割で返済していけるかどうか、詳しく事情をお聞きしています。

「ネットの広告を見て、東京や大阪の司法書士に任意整理を依頼したが、結局は返済が続けられなくなった。自己破産したい。」というご相談もよくあるからです。

その場合、せっかく途中まで返済していても、無駄になってしまいます。それならば、初めから自己破産すればよかったということになります。

よくある質問

Q. 借金救済制度とは何ですか?
A. 法律にそういう名前の制度があるわけではありません。広告では、任意整理・個人再生・自己破産(まとめて「債務整理」)のことを、このように呼んでいることがほとんどです。

Q. 借金救済制度は、国や市役所に申し込むものですか?
A. いいえ。任意整理は弁護士や司法書士が貸金業者と交渉する手続、個人再生と自己破産は裁判所に申し立てる手続です。国や役所が窓口になっているわけではありません。

Q. 借金救済制度を使うとどうなりますか?
A. 実際に使う手続によって違います。任意整理なら利息がカットされて分割返済に、個人再生なら借金が減額されて原則3年の分割返済に、自己破産なら借金の返済が免除されます。どの手続でも、信用情報機関に事故情報が登録されます(いわゆるブラックリスト)。詳しくはブラックリストは何年で消える?をご覧ください。

まとめ

「国が認めた借金救済制度(救済措置)」は、新しい制度ではなく、昔からある任意整理・個人再生・自己破産のことです。

借金問題で弁護士や司法書士に依頼する場合は、どのような手段・制度が適切なのか、よく相談なさってください。

この記事を書いた弁護士

弁護士 棒田洋平(金沢弁護士会所属)

石川県金沢市の棒田法律事務所で、自己破産・個人再生などの借金問題と、相続のご相談を主に取り扱っています。裁判所から選任されて、破産管財人の仕事もしています。

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