債務整理の方法には、任意整理・自己破産・個人再生の3つの手段があります。今回は任意整理についてのお話です。
任意整理は、弁護士が債権者(貸主)に連絡して、利息のカットや分割弁済を交渉するというもので、「自己破産や個人再生はしたくない(できない)」という方向けの債務整理です。
しかし、「安定した収入があり、数年での分割弁済であれば間違いなく支払える。」という状況でなければ任意整理はお勧めできません。
例えば借金の総額が500万円であれば、よっぽど収入が多額でない限り、任意整理はできないことが多いです。
任意整理をすれば少しの時間稼ぎになるかもしれませんが、すぐに支払いができなくなり、結局は自己破産や個人再生の手続をせざるを得ないことが予想されます。
最初から自己破産や個人再生を選択すべきです。
任意整理をスタートする場合、まずは弁護士が債権者(貸主)各社に「受任通知」を送ります。「私が代理人になりました。今後は本人ではなく私が窓口になるので、本人に督促はしないでね。」という通知です。
その後、各社から、弁護士宛に、残債務額が記載された書類が送られてきます。
この書類が届くまでに、1週間程度の場合もあれば、1か月くらいかかる場合もあります。
そこから、返済条件の交渉を始めます。
交渉がまとまれば、和解書を取り交わします。そして、和解書で決めたとおりに返済をしていくことになります。
債権者の中には、保証会社がついている場合があります。
保証会社がいる場合は、まずは借主の代わりに保証会社が貸主に返済をし、その後、借主は保証会社に返済をすることになります。保証会社が立替払いをするようなイメージです。
この場合は、弁護士は保証会社との間で分割弁済の交渉をすることになりますが、交渉開始は、保証会社による立替払いが終わった後ということになるので、交渉開始までに少し時間がかかります。
初回の返済日はいつ頃になるのかというご質問もよく受けます。
受任通知を送付してから「2か月後の月末」くらいが多いかなと思います。
返済開始を3か月または4か月先にすることに応じてもらえる場合もあります。
返済は、債権者が指定した(和解書に記載された)振込先口座に毎月振り込みます。
法律事務所・司法書士事務所の中には、手数料をもらって、返済手続の代行を行う事務所もあるようです。事務所が依頼者から返済金を預かり、事務所から債権者に送金するという方法です。
ですが、当事務所では、返済を代行することは行っていません。
代行手数料や、振込手数料がもったいないと思うからです。事務所に手数料を支払うくらいだったら、そのお金を返済に回した方がよいと思います。
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