借金問題のご相談で,たまに「何となく自己破産をするのが怖い」とおっしゃる方がいます。
「友人や知り合いが自己破産をしたなんて話も聞いたことがない。」
「何か大変なことになる気がして踏み出せない…。」
その気持ちよくわかります。
私も弁護士をしていなければ同じ感覚だったと思います。
自己破産や個人再生など債務整理は,無理にするものではありません。
「何となくイヤだからやりたくない」それでいいのだと思います。
私としても強くお勧めしたりはしません。
ただ,「何となく怖い」「何となくイヤ」という気持ちの源が,「どんなものかよくわからない。知らない。」という不安にあるのだとすれば,
丁寧に説明して差し上げれば解消されるかもしれない…と思っています。
さて,自己破産をする人ってどれくらいの人数だと思いますか。
令和元年の司法統計では,個人の自己破産は年間で約7万3000件です。法人も含めると約8万件。
1日にあたりに換算すると,1日200件。
1日に約200人が自己破産しているのです。
さらに,個人再生も年間約1万3000件あります。
離婚件数が年間20万件くらいですから,その半分弱ぐらいです。離婚歴がある知人や友達は,一人や二人ぐらいはいませんか?
そう考えると,自己破産や個人再生なんて,そこまで珍しいことではないっていう気がしませんか?
自己破産や債務整理についての不安があれば,どうぞ率直に弁護士にお話しください。
「確かにそれは心配ですね。」っていうこともあれば,
「その点については,心配ありませんよ。」っていうこともありますからね。
私は「盲腸の手術」や「親知らずの抜歯」の方が,よっぽど怖いです。