弁護士の仕事について

裁判をするのが弁護士の仕事だと思っていらっしゃる方がいます。
たしかに裁判は弁護士の仕事の一つです。
しかし、弁護士の仕事は、紛争を解決すること、もっといえば悩み事を法的に解消させることです。
「実は裁判にはしたくないのですが…」と申し訳なさそうにおっしゃる方がいますが、当然です。
裁判の当事者になるなどということは、訴える側であっても、訴えられる側であっても、不幸なことだと思います。
多くの人にとって、一生に一度あるかないかの話なのです。
裁判はしないに越したことはない、それでもどうしても解決できないことがあって裁判になるのです。
東京で弁護士をしていた当時は毎日のように裁判所へ行って数多くの事件を処理してきましたが、それでも、裁判をせずに解決した事件の方が多かったのです。

ただし、弱気な弁護士だと思わないでください。戦うべき事件ならば、裁判も厭わず、あなたと一緒に、全力で、最後まで戦います。
不当な請求を受けているときや、債権回収の場面では、迅速に裁判を提起することで解決に至る場合があります。

では結局のところどうしたらいいのか。ご事情をお聞きしたうえで、意見を申し上げます。
裁判をした方がいいのか、しない方がいいのか、相手と話し合った方がいいのか、喧嘩したらいいのか。
それぞれのいいところと、悪いところを説明します。
それでも決めかねるご様子であれば、「私だったらこうしますよ。」と意見を申し上げますので、一度持ち帰ってご家族と相談なさってください。
よくわからなければ何度でもご相談ください。ご家族にも説明させていただきます。

20年分の退職金

ご相談の内容
相談者は、勤続20年~30年のサラリーマンであり、顧客の信頼を得て、勤務先の会社にも多大な貢献してきた方でした。
ところがある日、全社員が集められ、社長から、自身が高齢であることや体調不良を理由として会社を閉めると通告されました。
相談者は、事前に何の相談もない一方的な解雇に落胆したものの、退職金を支払ってもらえるのであれば、退職に応じてもいいと考えましたが、会社側は「退職金規程は存在しないので、退職金は一切支払わない。これまで退職した従業員に対して退職金を支払ったことは一度もない。」という姿勢でした。

対応と結果
数年前に退職した方に連絡をとり、退職金規程が書かれた冊子が配られた事実や、退職時に退職金の支給を受けたことを証言してもらいました。
また、不動産登記簿を調査したところ、会社が不動産を売却するなどして資産を現金化していることが判明したため、すぐさま退職金の支払いを求める労働審判を申し立てました。
労働審判では当方の主張がほぼ全面的に認められ、規程どおり、700~800万円の退職金の支払いを受けることができました。

ポイント
長年、会社に貢献してきた従業員に対し、事前に何の説明もなく一方的に解雇を言い渡し会社の姿勢は、相談者の心に火をつけました。
「退職金は支払われない」という会社の説明を受け入れ、弁護士に相談することなく退職に応じた従業員の方々は、本来支払われるべき退職金の支払いを受けられないままです。会社の説明が少しでもおかしいと感じたら、弁護士に相談すべきです。
退職金、解雇、残業代等の労働問題のご相談は、石川県金沢市の弁護士、棒田法律事務所にご相談ください。

賃貸借契約は期間が満了しても更新できる

ご相談の内容
相談者は、借りていたテナントのオーナーから、「もうすぐ契約期間が満了するが契約更新はしない。」「建物は取り壊すので退去してほしい。」と通告されました。確かに、賃貸借契約書には、契約期間は「2年間」とされており、オーナー側が「更新を拒絶できる」と規定されていました。

対応と結果
賃貸借契約書に契約期間が定められており、貸主が更新を拒絶できると記載されていても、借地借家法という法律に基づき、借主が貸室の使用継続を必要とする理由があれば、契約を更新することができます。オーナー側と交渉した結果、賃貸借契約を更新して、建物の使用を継続することができました。
(退去に応じる代わりに、十分な立退料(引っ越し費用や転居先の敷金・礼金など)を獲得した事例もあります。)

ポイント
「契約書に書いてあるから仕方がない」と思われるかもしれませんが、契約条項の効力が法律によって制限される場合がありますので、簡単に諦めずに弁護士に相談することをお勧めします。
立退料、不動産問題のご相談は、石川県金沢市の弁護士、棒田法律事務所にご相談ください。

虚偽の出勤簿

ご相談の内容
相談者は居酒屋を経営する会社で、退職したアルバイトスタッフから、高額の残業代の支払いを求める労働審判を申し立てられました。

対応と結果
労働審判では残業時間が争点となり、アルバイトスタッフは勤務時間の証拠として、自身が毎日つけていた日記を提出しました。
確かに日記には、「×月×日:×時から×時」という風に出勤時間がメモされていました。
しかし、この日記の記載内容を精査したところ、店舗の休日にもかかわらず出勤したことになっている日があること、鉛筆で記載され書き直した痕跡があることが判明しました。
また、このアルバイトスタッフは、タイムカードを正確に打刻するよう再三注意を受けていたにもかかわらず、これを怠ってきたという経緯があり、アルバイトスタッフの勤務時間に関する主張は、到底信用できるものではありませんでした。
当方は、労度審判においてこれらの事実を指摘して交渉を行った結果、最終的には残業代の請求額を大幅に減額することができました。

ポイント
労働時間の管理は会社側の義務であるとして、裁判所は会社側に対して厳しい判断をすることがあります。労働時間に疑義が生じないよう態勢を整えておく必要があります。
残業代・解雇・労働問題のご相談は、石川県金沢市の弁護士、棒田法律事務所までご相談ください。

定期的に医師の診察を受ける必要性

相談内容
相談者は、ショッピングセンターの駐車場で追突され、運転していた相談者と同乗者は首や背中を打撲しました(頸部捻挫)。当初は、病院に通院していましたが、仕事が忙しいことから、近所の接骨院に通うようになりました。

対応と結果
事故の相手方の保険会社との交渉において、保険会社が、接骨院などへの通院費用や通院慰謝料について争ってくる事例があることから、相談者に対して、普段は接骨院でも構わないが、定期的に医師の診察を受けるようアドバイスをしました。
受信した医師は、長期の治療および経過観察が必要であると判断し、通院期間は半年以上になりました。定期的に医師の診察を受け、医師の指導のもとで接骨院に通院していたことから、治療費や通院慰謝料については当方の請求どおりの賠償を得ることができました。
また、完全に痛みを取り除くことができずに後遺症が残りましたが、後遺症等級14級の認定を受けることができたため、通院慰謝料とは別に約100万円の後遺症慰謝料を受け取ることができました。

ポイント
交通事故にあったときは、後日、適正な賠償額の支払いを受けられるよう、早い段階で弁護士に相談されることをお勧めします。
交通事故、損害賠償についてのご相談は、石川県金沢市の弁護士、棒田法律事務所にご相談ください。