20年分の退職金

ご相談の内容
相談者は、勤続20年~30年のサラリーマンであり、顧客の信頼を得て、勤務先の会社にも多大な貢献してきた方でした。
ところがある日、全社員が集められ、社長から、自身が高齢であることや体調不良を理由として会社を閉めると通告されました。
相談者は、事前に何の相談もない一方的な解雇に落胆したものの、退職金を支払ってもらえるのであれば、退職に応じてもいいと考えましたが、会社側は「退職金規程は存在しないので、退職金は一切支払わない。これまで退職した従業員に対して退職金を支払ったことは一度もない。」という姿勢でした。

対応と結果
数年前に退職した方に連絡をとり、退職金規程が書かれた冊子が配られた事実や、退職時に退職金の支給を受けたことを証言してもらいました。
また、不動産登記簿を調査したところ、会社が不動産を売却するなどして資産を現金化していることが判明したため、すぐさま退職金の支払いを求める労働審判を申し立てました。
労働審判では当方の主張がほぼ全面的に認められ、規程どおり、700~800万円の退職金の支払いを受けることができました。

ポイント
長年、会社に貢献してきた従業員に対し、事前に何の説明もなく一方的に解雇を言い渡し会社の姿勢は、相談者の心に火をつけました。
「退職金は支払われない」という会社の説明を受け入れ、弁護士に相談することなく退職に応じた従業員の方々は、本来支払われるべき退職金の支払いを受けられないままです。会社の説明が少しでもおかしいと感じたら、弁護士に相談すべきです。
退職金、解雇、残業代等の労働問題のご相談は、石川県金沢市の弁護士、棒田法律事務所にご相談ください。

虚偽の出勤簿

ご相談の内容
相談者は居酒屋を経営する会社で、退職したアルバイトスタッフから、高額の残業代の支払いを求める労働審判を申し立てられました。

対応と結果
労働審判では残業時間が争点となり、アルバイトスタッフは勤務時間の証拠として、自身が毎日つけていた日記を提出しました。
確かに日記には、「×月×日:×時から×時」という風に出勤時間がメモされていました。
しかし、この日記の記載内容を精査したところ、店舗の休日にもかかわらず出勤したことになっている日があること、鉛筆で記載され書き直した痕跡があることが判明しました。
また、このアルバイトスタッフは、タイムカードを正確に打刻するよう再三注意を受けていたにもかかわらず、これを怠ってきたという経緯があり、アルバイトスタッフの勤務時間に関する主張は、到底信用できるものではありませんでした。
当方は、労度審判においてこれらの事実を指摘して交渉を行った結果、最終的には残業代の請求額を大幅に減額することができました。

ポイント
労働時間の管理は会社側の義務であるとして、裁判所は会社側に対して厳しい判断をすることがあります。労働時間に疑義が生じないよう態勢を整えておく必要があります。
残業代・解雇・労働問題のご相談は、石川県金沢市の弁護士、棒田法律事務所までご相談ください。